【初心者必見】溶接のコツとは?3つの溶接方法で解説!
こんにちは、溶接棒・溶接機材の通販専門店 WELD ALL(ウエルドオール)です。
「溶接が思ったように上手くできず、コツがあれば知りたい」と悩んでいる方は多いでしょう。
そこで今回は、溶接のコツを「アーク溶接」「半自動溶接」「TIG溶接」の3種類に分けてご紹介していきます。
コツを知る前に押さえておきたい基礎知識についても解説しているので、ぜひご一読ください。
目次
溶接のコツを知る前の基礎知識
溶接とは、2つ以上の金属を溶かして一体化させることです。
熱で溶かした部分が冷えて固まることにより金属は接合されます。
「金属を熱で溶かすだけなら簡単そう」と思うかもしれませんが、熱を加える溶接方法は多種多様であり、用途に応じて選ばなければいけません。
例えば、よく知られた「アーク溶接」「半自動溶接」「TIG溶接」という3種類の溶接方法には、それぞれ以下の特徴があります。
- アーク溶接:金属と溶接棒を溶かして一体化させる方法。溶接機は比較的安価で幅広い種類の溶接に使用できる。
- 半自動溶接:溶接ワイヤーが自動供給されて溶接する方法。初心者にも扱いやすく、幅広いシーンで使用されている。
- TIG溶接:タングステンに電流を流して溶接する方法。仕上がりがきれいなので車やバイク部品の溶接にも使われる。
上記のように、どのような目的で溶接するかにより、使用する溶接機材が変わります。
次章以降では、溶接方法ごとに上手く溶接を行うためのコツについてご紹介していきましょう。
アーク溶接のコツ
アーク溶接のコツは、以下の5つです。
- 電流を調整する
- 適切な溶接棒を選ぶ
- 金属と溶接棒の距離に気をつける
- 傾けた状態を維持し、一定の速度を保つ
- 点と点をつなげるように溶接する
こちらでは、上記5つのコツについて詳しく解説します。
電流を調整する
アーク溶接は、溶接する材料に応じて電流を調整するのがコツです。
電流が小さすぎると金属は上手く溶けず、逆に電流が大きすぎると、金属に穴が開いてしまうほど溶けてしまいます。
つまり、材料の厚さが薄いなら電流は小さく、厚いなら電流を大きくする必要があるのです。
溶接機によって最大電流値が決まっているため、すでに溶接機を所有している場合は、溶接機で使える電流をふまえて材料を選ぶと良いでしょう。
適切な溶接棒を選ぶ
適切な溶接棒を選ぶというのも、アーク溶接において大切なポイントです。
溶接棒の径が細すぎると何回も溶接をして接合させる必要があり、太すぎると熱が長時間加わることで金属に穴が開くことも考えられます。
また、溶接する金属の種類や用途によって、溶接棒の材質や種類も適切なものを選択することが求められるでしょう。
以下の記事に詳しい溶接棒の選定方法について解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
金属と溶接棒の距離に気をつける
アーク溶接を上手く行うためには、金属と溶接棒の距離も重要です。
溶接する際は、溶接棒の先端と金属の間を3〜5mmに保つことが大切ですが、近づきすぎてしまうと、アークが発生しなくなったり、金属に溶接棒が張り付いてしまったりすることに。
一方、距離が離れてしまうとアークの熱が上手く金属に伝わらず、適切な接合ができなくなってしまうので注意しましょう。
傾けた状態を維持し、一定の速度を保つ
傾けた状態を維持し、一定の速度を保つのも上手に溶接をするコツの1つです。
アーク溶接を行う際は、金属に対して垂直に構えたあと、進行方向側に20〜30度ほど傾けます。
この姿勢をキープしたまま、一定の速度で溶接していきましょう。
速度が遅くても速くても、ビード(溶接部分にできる盛り上がり)の幅が適切な太さにならないので注意してください。
一定の速度で真っ直ぐ長く溶接する練習をしていくと、徐々にコツを掴めるはずです。
点と点をつなげるように溶接する
点と点をつなげるように溶接すると、長い直線の溶接がしやすくなります。
ただ、一度に長く真っ直ぐ溶接することは、経験や機材などによって限度があるもの。
溶接ができる限界地点よりも長い直線を溶接したい場合は、限界地点に点を打ち、それを目安に作業を進めてみましょう。
半自動溶接のコツ
半自動溶接のコツは以下の4つです。
- 目的に合った溶接機を選ぶ
- 初心者には前進法がおすすめ
- トーチと金属の距離を10mmに保つ
- 電圧とワイヤの送給速度に注意する
こちらでは、上記4つについて解説します。
目的に合った溶接機を選ぶ
半自動溶接の溶接機は種類が多いため、目的に合ったものを選ぶのがコツです。
目的に合った溶接機を選ぶには、以下のようなポイントを押さえてみましょう。
- ガスボンベを使いたくないならノンガス溶接機
- 綺麗に溶接したいならガスシールドアーク溶接機
「ガスを使用せずに溶接したい」という方は、ノンガス溶接機がおすすめです。
一方、ガスを使用するガスシールドアーク溶接機を選ぶ場合、「CO2溶接」「MAG溶接」「MIG溶接」の3種類のガスのどれを使用するか決めます。
「CO2溶接は作業効率が高い」「MAG溶接は仕上がりをよりきれいにできる」「MIG溶接は主にアルミの溶接に使用される」といった特徴があるのでチェックしてみましょう。
初心者には前進法がおすすめ
初心者には、初めてでも溶接しやすい前進法がおすすめです。
前進法とは、進行方向に向かってトーチを動かしていく方法のこと。
溶接する部分が見えて作業しやすいという特徴があるため、初めてなら前進法で練習を積んでいきましょう。
トーチと金属の距離を10mmに保つ
トーチと金属の距離を約10mmに保つことで、溶接の品質が向上できます。
トーチと金属が近づきすぎるとビードが綺麗にできにくく、逆に遠すぎると溶接の品質が落ちてしまうことも。
溶接中に約10mmの距離を保ちつづけるために、手の動きを安定させるための練習をしてみましょう。
電圧とワイヤの送給速度に注意する
電圧や電流、ワイヤの送給速度のバランスを意識するのもコツの1つです。
電圧はアークの長さなどに影響し、電流は材料の厚みや種類により適切な設定が求められます。
また、「電流が高いならワイヤの送給速度は速めにする」など、それぞれのバランスを意識しなければ、金属が上手く溶けず玉になってしまうので注意しましょう。
TIG溶接のコツ
TIG溶接のコツは、以下の4つです。
- タングステンを出しすぎないようにする
- 溶接棒は横から入れる
- 金属から少し離し、傾けた状態を保つ
- ケーブルを肩に乗せる
こちらでは、上記のコツについて解説します。
タングステンを出しすぎないようにする
TIG溶接をする際は、タングステンを出しすぎないようにしましょう。
タングステンをトーチから出しすぎると、溶接中に金属に接触してタングステン先端の形が変わってしまい、溶接の品質が落ちてしまうことがあるからです。
溶接棒は横から入れる
TIG溶接で溶接棒を使う際は、玉にならないように横から入れるのがコツです。
可能な限り横から溶接棒を入れることで、溶接棒が溶けた金属のたまりに入る前にアークと接触して玉になることを避けられます。
金属から少し離し、傾けた状態を保つ
溶接中は金属から少し離し、傾けた状態を保ちます。
金属とタングステン電極の距離が近い方がアークは安定しますが、接触しないように心掛けましょう。
作業時の角度は、金属に対して垂直に構えたあと5〜15度ほど傾けるのが良いでしょう。
この姿勢を保つために、肘や手の付け根部分を作業台などに置いて安定させるのもコツです。
ケーブルを肩に乗せる
ケーブルを肩に乗せるのもトーチを動かしやすくするコツです。
ケーブルが重くて溶接作業に支障が出てしまうこともあるため、肩に乗せてスムーズに作業できるようにしましょう。
溶接のコツ、まとめ
「溶接を始めたばかりで上手くできない」という方は、今回ご紹介した溶接方法ごとのコツを参考にしてみましょう。
「DIY向けに溶接機材や溶接棒を揃えたい!」という方は、ぜひ通販専門店のWELD ALL(ウェルド・オール)の公式サイトをご覧ください。
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