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「溶接棒の具体的な役割や種類について知りたい!」と考えている方は多いでしょう。

特に、これから溶接を始めようと思っている方は、溶接棒の概要を押さえておきたいですよね。

今回は、溶接棒とはなにかやその役割、溶接棒の種類と特徴をご紹介します。

さらに、溶接棒の選び方や、保管と使用時の注意点、購入方法についても解説するので、ぜひ最後まで読んでみてください。

溶接棒とは

溶接棒の正式名称は「被覆アーク溶接棒」といい、溶接方法の1つである被覆アーク溶接法にて使われる金属棒です。

被覆アーク溶接とは、溶接棒と母材(溶接される材料)との間に発生するアークという光の熱で接合する方法のこと。

溶接棒を接合部分にコンコンと接触させることでアークが発生し、溶接棒と母材を溶かしながら溶接をしていく流れです。

溶接棒は、「心線」という金属の棒の上に、「被覆材」という粉末を塗り固めて構成されています。

被覆材が塗られている理由は、溶接をしやすくしたり、仕上がりを良くしたりといったメリットがあるからです。

次の章では、溶接棒の具体的な役割について解説していきます。

溶接棒の役割

溶接棒には、主に以下3つの役割があります。

  1. アークの安定性が向上する
  2. 仕上がりの品質が良くなる
  3. 様々な姿勢で溶接しやすくなる

こちらでは、上記3つの役割をそれぞれお話していきましょう。

アークの安定性が向上する

溶接棒には、アークの安定性を向上させるという役割があります。

これは、溶接棒の被覆材が熱を受けて液体になることで、被覆材に含まれる様々な成分が機能してアークを安定させるからです。

また、被覆材によってアークが発生しやすくなるという利点もあります。

仕上がりの品質が良くなる

溶接棒を使用することで、仕上がりの品質を良くすることができます。

溶接棒の被覆材から発生するガスが溶接部を覆うことで、大気中の酸素や窒素の侵入を防げるため、溶接品質を維持しているのです。

様々な姿勢で溶接しやすくなる

溶接棒を利用することで、様々な姿勢で溶接しやすくなるという利点もあります。

溶接時に発生したスラグ(金属から出てくるカス)が冷却速度を遅らせることにより、様々な姿勢で溶接しやすくなるのです。

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溶接棒の種類と特徴

溶接棒は、使われる被覆材の種類によって以下のように分類されます。

  1. イルミナイト系
  2. ライムチタニヤ系
  3. 低水素系
  4. 高酸化チタン系

こちらでは、上記4つの特徴について解説します。

イルミナイト系

イルミナイト系は、イルミナイトという鉱物を被覆材の主原料にした溶接棒です。

他の種類と比べてアークが強く安定するため、溶接性と作業性のバランスが良く、日本で広く使用されています。

イルミナイト系は厚板の溶接には向いていないため、薄板の溶接に使用するのがおすすめです。

ライムチタニヤ系

ライムチタニヤ系とは、ライム(炭酸石灰)と高酸化チタンを主原料とした溶接棒です。

ヒューム(金属の細かい粒子)やスパッタ(飛び散る金属粒)が少ないうえ、アークが穏やかで安定しているため、扱いやすく広く普及している種類となります。

吸湿しにくい溶接棒なので、吸湿しやすい環境でも使いやすく、DIYでも選ばれている溶接棒でしょう。

低水素系

低水素系は、炭酸カルシウムやフッ化カルシウムが主原料の溶接棒です。

溶接金属中の水素量が低いため、溶接不良が発生しにくく、厚板などの溶接にも適しているという特徴があります。

しかし、アークが不安定な側面もあるため、初心者には扱いづらいかもしれません。

高酸化チタン系

高酸化チタン系とは、名前の通り高酸化チタンが主原料の溶接棒です。

光沢感のあるきれいな仕上がりになるため、見た目が気になる外装の溶接などに適しています。

一方、強度が必要な部分の溶接には向かないというデメリットもあるので、用途に合わせて使用するのが良いでしょう。

溶接棒の選び方

溶接棒の選び方には、以下の3つがあります。

  1. 用途に合わせて種類を選ぶ
  2. 溶接する金属に合った材質を選ぶ
  3. 母材や溶接機に合った太さを選ぶ

こちらでは、上記3つの選び方を解説していきます。

用途に合わせて種類を選ぶ

溶接棒を選ぶときは、用途に合わせて被覆材の種類を考慮してみましょう。

前の章で解説した通り、被覆材の種類によって「薄板の溶接に向いている」「アークが安定していて扱いやすい」などの特徴があるので、用途や状況に合うものを選んでみてください。

通常、各メーカーでは、商品のシリーズごとに被覆材の種類が分けられているため、商品を選ぶ際に参考にしてみましょう。

溶接する金属に合った材質を選ぶ

適切な溶接棒を見つけるには、溶接する金属に合った材質を選ぶ必要があります。

溶接では、溶接棒と母材が溶けて一体化するため、母材が「ステンレス鋼」なら溶接棒も「ステンレス用溶接棒」のように、適する材質を選ばなくてはいけないのです。

溶接棒の材質には、以下のようなものがあります。

軟鋼低電圧用溶接棒 薄い鉄板の溶接に使える溶接棒。家庭用の100V電源でも使用可能。様々な姿勢で使用できる。
一般軟鋼用溶接棒 薄板から厚板まで幅広く使える溶接棒。様々な姿勢で使用でき作業性も良い。
ステンレス用溶接棒 ステンレスを溶接する際に使う溶接棒。「ステンレス同士の溶接」と「ステンレスと他の金属の溶接」では異なる溶接棒を選ぶ必要がある。
鋳物用溶接棒 鋳鉄の補修や溶接のときに使う溶接棒。下向きの姿勢のみで使用可能。

上の表のように、母材の材質だけでなく、「板厚」「姿勢」「家庭用の100V電源に対応できるか」などの特徴をふまえて、最適なものを選びましょう。

母材や溶接機に合った太さを選ぶ

溶接棒を探す際は、母材や溶接機に合った太さのものを選ぶ必要があります。

基本的に、「溶接棒の太さ」は「母材の板厚の半分」と同等のものが適切です。

溶接棒が太くなるほど大きな電流が必要なため、溶接機が対応できる電流を考慮して選定しなくてはなりません。

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溶接棒の保管や使用時の注意点

溶接棒の保管や使用の際は、以下のような点に注意しましょう。

  • 雨に当たらないような場所に保管する
  • 高温多湿を避けて保管する
  • 使用前に乾燥させる

溶接棒の被覆材は吸湿しやすく、吸湿した状態で使用すると溶接不良の発生にもつながります。

このため、保管のときは湿気を避け、使用前は乾燥させることが重要です。

溶接棒の購入はインターネット通販がおすすめ!

溶接棒の購入はインターネット通販がおすすめです。

溶接棒は金物屋さんやホームセンターなどでも購入できますが、インターネット通販なら24時間買い物ができ、品揃えが豊富なことも多いです。

溶接機材の通販専門店WELD ALL(ウェルド・オール)では、DIYからプロまで幅広いユーザーの求める商品が揃っており、小ロットでの購入もできますよ。

溶接棒とは、まとめ

「これから溶接を始めたい!」という方も、「改めて溶接棒について詳しく知りたい」という方も、今回の記事で役割や種類、選び方などを把握できたかと思います。

溶接棒について詳しく知り、被覆材の種類や溶接棒の材質、太さによる特徴を押さえることで、適切な溶接棒を選ぶことができ、より溶接の作業がしやすくなるでしょう。

また、溶接不良を起こさないためにも、保管や使用時の吸湿に注意すると良いですね。

「DIYの溶接を始めるために準備をしている」という方は、溶接に必要なものが揃っているかチェックするためにも、ぜひ通販専門店WELD ALLを訪れてみてください。

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