ステンレス溶接DIYを成功させるために!溶接方法や手順、注意点を解説

こんにちは、溶接棒・溶接機材の通販専門店 WELD ALL(ウエルドオール)です。
「ステンレス溶接のDIYにチャレンジしてみたいけど、成功させるにはどうしたら良いの?」と疑問に思っている方は多いでしょう。
今回は、ステンレス溶接のDIYで用いられる溶接方法や必要なもの、ステンレス溶接DIYの手順をご紹介します。
さらに、ステンレス溶接でDIYを行うメリットや、溶接DIYで選べるステンレスの種類、ステンレス溶接DIYの注意点などについても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ステンレス溶接とは?

ステンレス溶接とは、鉄を50%以上、クロムを10.5%以上含有した合金である「ステンレス鋼」を溶かして接合することです。
DIYでステンレス溶接を用いるとメリットも多いですが、ステンレスの種類に応じて適切な溶接を行わなくてはいけないなど、押さえるべきポイントも挙げられます。
ステンレス溶接DIYにチャレンジする際は、以降の章で解説する各ポイントを理解したうえで挑戦することがおすすめです。
ステンレス溶接でDIYを行うメリット

ステンレス溶接でDIYを行うメリットは、以下の4つです。
- 錆びにくくなる
- 光沢が美しくなる
- 強度が高くなる
- 保温性が高くなる
ステンレスを用いて製作すると上記のようなメリットを得られるため、インテリアや水回り用品、屋外レジャー用品など、幅広いもののDIYに適しているでしょう。
溶接DIYで選べるステンレスの種類

溶接DIYで選べるステンレスの種類には、大きく分けて以下の3つがあります。
| ステンレスの種類 | 特徴 |
| マルテンサイト系ステンレス | クロムを主成分としている。高い強度や硬度を持っているが、延性や耐食性が低いという特徴があり、工具や刃物などに使われる。 |
| オーステナイト系ステンレス | 炭素やクロム、ニッケルが含まれる最も一般的なステンレス。引張り強度や耐食性に優れており、自動車部品や家庭用品など多くのものに用いられている。 |
| フェライト系ステンレス | クロムの含有率が約11〜32%と多く、ニッケルの含有量が少ないステンレス。強度は高くないが耐食性が比較的高く安価なのが特徴なため、厨房機器や家電、自動車などで広く使用されている。 |
溶接DIYに使うステンレスを選ぶ際は、上記の特徴をふまえて選んでみましょう。
DIYのステンレス溶接に用いられる溶接方法

DIYのステンレス溶接に用いられる代表的な溶接方法は、以下の5つです。
- 被覆アーク溶接
- MIG溶接
- TIG溶接
- スポット溶接
- ファイバーレーザー溶接
コストメリットを考えるなら「被覆アーク溶接」、作業のしやすさで選ぶなら「MIG溶接」や「スポット溶接」、仕上がりの美しさで選ぶなら「TIG溶接」が良いでしょう。
また、簡単にきれいな溶接を実現させたいなら「ファイバーレーザー溶接」が適しています。
ステンレス溶接のDIYに必要なもの

ステンレス溶接のDIYに必要なものは、以下の通りです。
- 溶接機
- ステンレス用溶接棒や溶接ワイヤー
- ガスボンベ
- 溶接面・防塵マスク・革手袋などの保護具
- 作業台
- グラインダー
溶接機は、家庭用コンセントで手軽に使用したいなら100Vの電源に対応しているものを選んでみてください。
一方、高出力で溶接をしたいなら、電源工事が必要になりますが200V電源の溶接機を選ぶと良いでしょう。
ステンレス溶接DIYの手順【5ステップ】

ステンレス溶接DIYの手順は、以下の5ステップで進めていきましょう。
- ステップ1:安全に作業できるスペースを用意する
- ステップ2:ステンレスの汚れを除去する
- ステップ3:溶接機の設定をする
- ステップ4:溶接をスタートする
- ステップ5:冷却後に焼け取り処理をする
こちらでは、上記5ステップをそれぞれ解説していきます。
ステップ1:安全に作業できるスペースを用意する
ステンレス溶接を始める前に、以下の条件を満たす安全な作業スペースを用意しましょう。
- 換気ができる
- 周囲に燃えるものがない
- 水気がなく感電の危険性がない
- 家族が近付かない
溶接ではヒュームの発生、火災や感電の危険性があるため、自分だけではなく周囲の人にも危険が及ばないような場所を選んで溶接作業を行いましょう。
ステップ2:ステンレスの汚れを除去する
溶接を行う前に、ステンレスの汚れを除去することも重要です。
表面に付着した錆・油分・汚れ・塗料といった不純物はスパッタ発生の原因となり、外観不良や強度低下などの悪影響を及ぼす可能性があります。
ステップ3:溶接機の設定をする
次に、溶接機の電流と電圧を、板厚や溶接姿勢を考慮して設定します。
例えばTIG溶接の場合、板厚が1mmなら電流は30〜50A、2mmなら50〜80A、3mmなら80〜120A、5mmを超えるなら120A以上が基本となります。
このように板厚が厚くなるほど電流は高く設定しますが、溶接姿勢が上向きや立向きの場合は低めに、下向きの場合は高めを目安に調整しておきましょう。
電圧に関しては多くの機種で「一元化」というおまかせ機能がついているため、基本的にそちらを利用すれば問題ありません。
電流と電圧の適切な設定ができていれば、ビード形状や溶け込みが適切になり、スパッタが少なくなるので、目視で確認しておきましょう。
加えて、シールドガスの流量も調整し、溶接欠陥を防ぐ必要があります。
流量が多ければアークが不安定になり、少なければ酸化や変色が起きるため、ガスの流量は15L/min〜20L/minを目安に調整しましょう。
ステップ4:溶接をスタートする
設定ができたら溶接をスタートしていきます。
溶接時は、「トーチを動かす速度」「アーク長」を一定に保つのがコツです。
トーチの動かし方としては、進行方向に対して前方向に動かす「前進法」と、後方向にトーチを向けて動かす「後進法」があり、初心者は溶接箇所が見やすい前進法の方が扱いやすいでしょう。
ステップ5:冷却後に焼け取り処理をする
ステンレス溶接では、表面に溶接焼けが残ったままだと腐食や外観の悪化につながるため、冷却後に焼け取り処理をする必要があります。
溶接焼けの除去には「酸洗い」「電解研磨」「ショットブラスト」などの方法が挙げられますが、DIYで手軽に焼け取りをするならグラインダーでの処理が良いでしょう。
ステンレス溶接DIYの注意点

ステンレス溶接DIYの注意点には、以下の3つがあります。
- ステンレスの種類ごとのポイントを押さえる
- 強い圧力がかからないようにする
- 適切な冷却管理を行う
こちらでは、上記3つの注意点を解説します。
ステンレスの種類ごとのポイントを押さえる
ステンレス溶接のDIYでは、以下のように種類ごとのポイントを押さえることが重要です。
| ステンレスの種類 | 溶接のポイント |
| マルテンサイト系ステンレス | 急速な冷却によって割れが発生しやすいため、材料の乾燥や清潔さを保ち、予熱や溶接直後の熱処理を行う。 |
| オーステナイト系ステンレス | 高温割れが起きやすいため、急速冷却可能な低い温度で溶接する。 |
| フェライト系ステンレス | 長時間約475℃にさらされると脆化が進行するため、冷却速度を適切に管理する。 |
上記のように、割れや脆化を防ぐため、使うステンレスごとの性質を把握しておきましょう。
強い圧力がかからないようにする
ステンレスには、圧力が加わると硬くなって元に戻らなくなる「加工硬化」を起こしやすい性質があるため、強い圧力をかけてはいけません。
スポット溶接といった圧力を加える溶接方法の場合、特に加工硬化への注意が必要となります。
適切な冷却管理を行う
ステンレス溶接では、適切な冷却管理を行って割れや歪みを防ぐことが求められます。
例えば、マルテンサイト系ステンレスで起こりやすい「低温割れ」を防ぐためには、予熱で母材を200〜400℃にすることで冷却速度を遅くすることが効果的です。
また、急激な加熱と冷却で起こる歪みの対策として、バックシールドガスや風冷、水冷を用いて全体の温度を均一に冷却することも大切でしょう。
ステンレス溶接DIY、まとめ

今回は、ステンレス溶接のDIYで用いられる溶接方法や必要なもの、ステンレス溶接DIYの手順などをご紹介しました。
DIYのメリットも多いステンレス溶接ですが、ステンレス特有の難しさもあるため、十分に準備して挑戦してみましょう。
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